【本】帳簿の世界史

帳簿の世界史とDD論

帳簿の世界史とDD論

「帳簿の世界史」を読みながら、「DD論」をパラパラと。

「DD論」はエッセーのような体裁だったので、

ページを開いて目を引くところだけ読もうかなと。

ということでメインは「帳簿の歴史」。

古代からルネッサンス期イタリア、スペインを経て、

オランダの手前まで、ページ数だと5分の2ぐらいを読み終えました。

会計を仕事にしている私としては、

会計関連の説明も特に苦なく読み進めることができます。

なおかつ、たまたまイタリアに行き、

芸術作品をたくさん見てきた経験が今回の読書に大いに役立ちました。

フォロロマーノの「サートゥルヌス神殿に国有財産が保有され」た、

との記述を読んでは、「あ、そこまでは歩かなかった、惜しい」とか、

ウルビーノ公の話題になったときは、

「こいつの顔、つい先日絵画でみたぞ!」とか(笑)。

ウルビーノ公夫妻の肖像

いちばん、ハっとさせられたのが、

サン・ルイジ・ディ・フランチェージ教会

(イタリアローマにあるフランス人のための教会)

で見た、カラヴァッジョの「聖マタイの召命」。

聖マタイの召命、さてマタイはどの人物だろう?

この「帳簿の世界史」を読むまで、

そこまで強く意識していなかったのですが、

聖マタイは、かつては税徴収人であり、

銀行家、金融業、会計士等の守護神だったということを再認識!!

これまで「自分の職業を視点として絵を鑑賞する」

ということをしてこなかったので、完全なるaha体験(笑)。

こうなると俄然、聖マタイにも興味が湧いてきますし、

今後の芸術作品の見方も変わってくるだろうなぁと。

イタリアの旅と帳簿の歴史がまさにConnecting the dots(笑)。

好きなことを追うと、こんな楽しいことが待っていますね!

自律と帳簿

怠惰な私は帳簿をつけている人を見ると正直感心します。

「よくそんな面倒なことするなぁ」と。

私自身の性格と照らし合わせると、

「よく、こんな自身を律するような制度(会計)が発展したものだ」と、

不思議に思います。

accontingという言葉は、日本語で「会計」ですが、

英語を使っているとaccountableという単語をよく目にします。

この単語を辞書で調べると、「責任がある」らしいのですが、

私の感覚だと「信頼できる」みたいな使われ方をしている印象もある。

とはいえ、帳簿の歴史を読んでいると、

不正会計だらけだったらしくて、これ「信頼できるの?」と(笑)。

正直、帳簿が対税務署用に発展したのであるならば、

帳簿の作成者と税務署との利害関係は一致しないため、

「帳簿がaccountableに発展するはずがないのでは?」

というのが、私の疑問でした。

「自分のためにきちんと帳簿をつけよう」なんていう人は、

この世に大して存在しているはずもなく(笑)、

みんなが必要性を感じないのであれば、発展なんてしないだろうと。

資本の登場

けれども、私のこの疑問はこの本を読んでいて1つの回答を得た気がします。

それが資本の登場です。

ビジネスのサイズが個人では収まらなくなったとき、

帳簿が発達した理由がストンと腑に落ちます。

あるビジネスで出資を募った場合、

出資を募った側は、出資者に利益を分配する必要がある。

そして、ビジネスを行う側は、出資者からの出資を得るために、

そのビジネスが確かであることを証明する必要がある。

この関係においては、

「帳簿が確かであること」は、

出資を募る者と、出資者の双方で利害関係が一致する。

こうなると、帳簿の発展は必然なんだろうなぁと。

結局は自律した精神が帳簿を発展させたのではなく、

外部要因(利害関係の一致)が強いのかもしれません(笑)。

会計的考え方

私がこの会計の世界に入ったのは、

「お金が儲かりそうだから」という邪な理由ですが、

この考え方を学ぶ機会を得られて、

なんてラッキーなのだろうと思っています(笑)。

フィレンツェの銀行家、コジモ・デ・メディチは、

キリスト教の考え方(お金は卑しい)や、

当時の新プラトン主義の台頭(人文主義サイコー)等で、

自分の持つ会計のノウハウを子供に伝えなかったとのこと。

けれども、この会計の知識は、

宗教的、政治的、芸術的評価は何であれ、

「地に足をつけ、未来を予測する」手段です。

会計学の面白いところは、

現実を把握するだけではなく、未来をコントロールする力もあること。

会計学を学ぶと、「お金」だけではなく、

自分の能力や経験についての貸借対照表と損益計算書をイメージできる。

アニメや漫画もいいけれども、これを少し自制して、

その時間を資産となる能力を伸ばす時間にあてようかなぁとか、

とはいえ、節約節約(アニメ漫画の時間を減らして自己研鑽にあてる)だと、

それはそれで高いQOLが得られなさそうだなぁとか(笑)。

ここで会計学の登場。

二元論ではない、バランス関係を会計学は教えてくれます。

私の性格的には、うわーっと何かに集中するよりも、

バランスを見てちょこちょこ好きなことをする方があうようです。

何かに傾倒して自分が破滅することが怖いんですよね(笑)。

今日の私

仕事、英語、仏語、フラフープ。

読書は「会計の世界史」の続き。

SNSの発展とかを横目で見ていると

「「啓蒙主義」(フランス18世紀に起こった)が、今こそ必要では?」

と思ったり。

それにしても思考とは不思議で、

思考していると必要そうなものを引きつける(笑)。

たまたま目にしたのが「21世紀の啓蒙」なんてタイトルの本。

とりあえず、Amazonのカートに保存です(笑)。

ぜひ、こちらもどうぞ!

マンガ描き始めました。

私のプロフィール

京都市の女性税理士です。

税理士になるまでの苦労が綴ってあります。

税理士試験はうまくいかないことばかりで、

何度も自暴自棄になっています。

コマギツネ

勉強好きそうだけど、税理士試験とは肌が合わなかったね。落ちた時には、なんて声をかけていいかわからなかったよ。

中の人

ほんと、あの頃は迷惑ばかりかけて申し訳なかったよ。

私の税理士事務所

コマギツネ

日本にいる外国の方や、

コマネコ

事業をはじめようとしている方の

中の人

サポートに力を入れています!

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です